Receipt_half_yak 竹内です。ナマステ。ベースキャンプからです。

こちらは天気が非常に悪く、24時間雪が降ることがあっても、24時間晴れることはありません。

ベースキャンプでの滞在が長くなってしまい、食料が底を突きかけています。先ほどサマの村にオーダーしていた食料が届きました。色々なものを頼んだのですが、その中にヤク、牛ですね、牛の肉半頭分をオーダーしていました。それをおばちゃん達が担いでベースキャンプまで持ってきてくれたんですが、そのレシートとして写真のようなものを残していきました。

見ていたら、おばちゃんはキッチンのフライパンの底を指でなでて、日本でいう“拇印”を捺していきました。チベットにはロウで封をする習慣はあるのですが、拇印をする習慣があるとは知りませんでした。

ベースキャンプにずーっと居るものですから、ろくな事がおきません。
例えばスイス人のアンジェロからは「太宰治についてどう思う」などという質問が私にきたりします。とりあえず私は「太宰治は、日本語の持つ美しい響きを持って状況を説明して、読み手に想像力を要求する作家なので、日本の文化や習慣を知らないと理解するのは難しいね」とか言っておきました。果たしてそうだったかどうかよく覚えていませんが、多分、当たってるような、はずれてるような感じでしょう。おそらく他の日本の作家について聞かれても、同じような事を答えたのかもしれません。

他にも「江戸時代の大名システムについて」とか「気合とはなんだ!」とか、とんでもない質問がいっぱいでてきます。勘弁してくれって感じですね。

早く天候が安定して、登山の事だけを考えられればいいなと思っています。

みんなからは、「マナスルは日本人が最初に登った山なのだから、総理大臣に電話をして天気をどうにかしてもらってくれ」とさんざん言われています。いまネパールには自衛隊がPKOで来ておりますので、ついでですから安倍総理にも来てもらって、是非ここで、PKOならぬ“Sunny Keeping Operations”を行って欲しいものです。

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