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2006年第2次カンチェンジュンガ登山のときのお話。

2006年第2次カンチェンジュンガ登山のときのお話。

無酸素で登頂して、さらに頂上からの下降は日没と吹雪に捕まり、ラストキャンプを見失うという大ピンチに陥りながらも、なんとかBCに降りてきた翌日。

みんな、頬には軽い顔面凍傷を負っていましたが、上での吹雪はウソのように太陽の光が降り注ぐベースキャンプは幸せに満ちていました。

すぐに撤収の準備に取り掛かるため、濡れ物を乾かそうとして、なにもかもをテントや岩の上に広げていました。

上部で使った、プライマロフトのミトンを乾かそうとして、インナーを
グイ!っと引き抜くと・・・

チャリーン!!

何かが足元の石に当たって音を立てた。

え?なに??
なにが出てきた??

足元で鈍く光るそれを拾い上げてみると・・・

それはネパールの1ルピー銅貨!

ええ??
どうして??
ミトンの中に1ルピー銅貨が入ってるの??
頂上でもミトンの中に入っていたってこと??
余分な荷物を持っていたんだな。どうりで疲れたわけだ!

サミットプッシュ前に、インナーを抜いてチェックした際には入ってなかったと思うけどな・・・
このミトンは去年から使ってるけど、カトマンズで紛れたとも思えない。
そもそも、1ルピー銅貨なんて最近カトマンズでも受け取った記憶ない・・・。

いくら考えても、思い出しても、どこから来たのか、どうして紛れ込んだのか全く分からない。どうにも心当たりがない・・・
本当に不思議・・・

この不思議な1ルピー銅貨は、使ってしまう気にもなれず、日本に持ち帰ってアクセサリーのように加工してもらいました。