竹内洋岳の未踏峰への挑戦

 

「なぜ、山に登るのか」散々繰り返されてきた問いに、いまこそ、私の答えはただ一つ。

 

「次に登る山を見つけるため」

 

これまで、私は一つの頂上に立てば、その先に次の頂上を見つけ、ひたすらに挑戦を続けて、8000メートル峰14座に到達しました。では、なぜ、14座を登ったのか?もちろん、次に登る山を見つけるためです。その先に私が見つけた山が未踏峰。しかし、それは必ずしも人類にとっての未踏峰だけでなく、私が登ったことのない山は、私にとっての未踏峰であり、新たな世界への挑戦は、私にとっての未踏の地への挑戦です。
新たな未踏峰の頂上に立ち、そして、その先に新たな未踏峰を見出し、より高く、より困難な頂上に挑戦していきます。

竹内洋岳は2014年、2016年と、人類未踏の山「マランフラン」(6573m)への挑戦を行いました。
マランフランは、ベースキャンプ地もアプローチルートもなく、全てがゼロからのスタートとなり、竹内洋岳の数度のチャレンジも登頂を拒まれてきた山頂です。

竹内洋岳のマランフランへの挑戦

山名:マランフラン
標高:6573m
所在地:ネパール ソルクンブ地区 27°48′28″N 86°52′00″E
初登頂:未踏峰
記録: 2014年10月29日 5900m地点まで
2016年10月21日 6100m地点まで

マランフラン(Malanphulan、Melanphulan 又は Malangphutang)はネパール ソルクンブ地区にある6573メートルの世界の未踏峰です。綺麗な山容ですが、登頂の為には険しいリッジ(尾根)の連続をクリアしなければならず、竹内洋岳がチャレンジするまでは頂上直下までのルートすら未開拓の状態であり、登山を開始するまでのアプローチが非常に長い山です。
緯度経度と空撮地図上でその存在を見ることができるが、山頂からの風景はまだ人類史上見た者はいない。

竹内洋岳からの報告

2016年10月23日

未だ未踏峰
残念ながら、マランフランの頂上へは、至りませんでした。
ハイキャンプから、2日かけ岩峰帯を抜け、ビバークを組み込み、プッシュを出しましたが、岩峰帯とヒマラヤヒダを抜けた先に、私たちを待ち構えていたのは、まるで山の上に、独立した山が載っているかのようなマランフランの頂上台座でした。
その頂上台座の細い尾根には、非常に不安定な、キノコ雪が連なり、目の前にしながら、足を踏み込むわけにはいきませんでした。
頂上が間近に見えるところまで迫りましたが、残念ながら引き返す判断をいたしました。
ビバークを予定していたため、引き返したのが、すでに夕方5時ごろで、暗闇の中、ヘッドトーチの明かりを頼りに懸垂下降を繰り返し、なんとかハイキャンプに戻り、翌日の22日の夜に、ベースキャンプに戻りました。
登頂に至らなかったことは、残念でなりませんが、今回、新たにマランフランの特性を知ることもあり、課題であった複雑な岩峰帯を抜けられたことを、成果とし、頂上台座のキノコ雪の発達や、今季の長引いたモンスーンとの影響、季節的特性、地理的特性、新たなルートの可能性など、今後も研究を重ねていきたいと考えております。
また、改めて報告をさせていただきますが、急ぎ、ベースキャンプに戻ったことを、お知らせいたします。

プロ登山家
竹内洋岳