• 標高:8586m/世界第3位
  • 所在地:ネパール・インド
  • 初登頂:1955年、イギリス隊 ジョージ・バンドとジョー・ブラウン
  • 竹内洋岳の登頂:2006年5月14日、無酸素で

 ネパールとインドの国境付近にそびえ、チベットからもほど近いこの山は、避暑地や紅茶の産地として名高いインドの町・ダージリンの北北西約75㎞の地点に位置し、そこを訪れる多くの人々に素晴らしい眺望を与えていた。そのため古くからヨーロッパ人にもよく知られ、1850年頃には世界の最高峰ではないかと考えられていたほどである。
 標高世界第3位となる8586mの主峰に加え、その南600mにある中央峰、さらにその600m南の南峰、また主峰から1.5kmにそびえる西峰はいずれも8000mを超えており、他にも7000mを超える衛星峰を周囲に多数併せ持つ、非常に壮大なスケールの山である。
 山名の由来はチベット語によるもので、「カン」=「雪」、「チェン」=「大きい」、「ジュ」=「宝」、「ンガ」=「5」。つまり「5つの宝庫を持つ偉大な雪山」という意味となり、チベット仏教的には「五大宝蔵」として、古くから崇められてきた山でもある。
 またこの山の東麓側で、ネパール、チベット、ブータンに囲まれ、現在はインドの一部として認識されているシッキム地方の民族言語・レプチャ語では「コロンチュウ」とも呼ばれている。その意味するところは「コン」=「最も高い」、「ロ」=「カーテン」または「山」、「チュウ」=「氷山の連山」、つまり「最も高い氷山」となり、北のチベットだけでなく、東のシッキム地元民からもまた、この山は偉大なる神と崇め奉られている。

竹内洋岳のコメント

2003年にラルフと共に北面から挑むも悪天候で7800mで引き返し、3年ぶりに南面から再挑戦。ラルフ・ドゥイモビッツ(ドイツ)、ガリンダ・カールセンブラウナー(オーストリア)、ベイカー・グスファッソン(フィンランド)、アンドリュー・ロック(オーストリア)、そして私の国際チームでの登山で、その後、このメンバー全員が14座登頂者になりました。ラルフ、ガリンダ、私の3名は、カンチェンジュンガBCからヘリコプターで、直接、ローツェBCに入り、継続してローツェのアルパインスタイルを狙うものの頂上直下で時間切れとなり引き返しました。

日本一わかりやすい
8000m峰14座完全データ