※このブログは
報知新聞社様のご協力により再掲出したものです。
尚、当サイトにおける公開は2020年1月20日です。
登山とキャンプ
通りかかった古本市のような売り場で目に留まった怪しげな本。
まったく、買うつもりもなくて立ち読みしてたら、あまりに面白くって!思わずケタケタ!と声を上げて笑ってしまったら、隣にいたオバさん・・・もとい、ご婦人から怪訝な視線を浴びて、慌てて咳き込みましたが、またまた、笑ってしまって、諦めて購入しました・・・
山の本でこんなに面白い本は初めてだよ!
発行は昭和9年(1934年)発行元の住所が「東京市」になってる。
1934年と言えば・・・
ドイツでは、ヒトラーが総統になり、満州国では、愛新覚羅溥儀が皇帝となり、これから歴史が混沌に向かおうとする頃。
その当時に、こんな気の利いた本が出版されていたとはね。
以下抜粋!(ほぼ原文ママ)
「隊員」
登山において最も不愉快なのを感じるのは、三名なら三名、四名なら四名の隊員の気持ちが、ぴつたりと合致せず、いつも奥歯に物がはさまつて居る時のやうな感じを懐いている場合である。
普通の旅行でも、数人が一緒に行動する時、その中の空気が一貫せず、いつも明朗を欠くようでは、折角楽しまうとした旅行は、何等意義を齎さず、かへつて不
愉快極まるものとなつてしまふ、ましてその間時に危険を共にして、協同動作を必要とする登山に於いては、気分のそぐはないことから依って起る不愉快さは、
一層甚だしく、愉快なるべき登山の懐想は、不愉快なる山の懐想とかはつてしまふ。以下略・・・
ごもっとも・・・・
「婦人の服装」
所謂女流登山家と云われる婦人の服装は、近頃ではもう、男子と大してかはりないものとなつた。これは必ずしも一流の女流登山家を気取つてのものではなく、
婦人にも、この服装が最も便利であり、男子の場合とその注目すべき要点に於いては、少しも異らないからである、然し何と云つても婦人には婦人らしいやさし
さが必要であるから、たとへ男子の服装に近いものであつても、そこは矢張り婦人らしいやさしさが加味されて居る。そこで婦人の服装は、大体スカート、ニッ
カボッカ、ズボンの三種類に分かれる。スカートは、ヒダのないごく普通のものでも幅の余り狭くないユツタリとしたものがよい。中略
女学生なら水兵服(セーラー服)でもかまわない。以下略・・・
「やさしさが必要」ですって。
最近、山で流行のスカートは戦前リバイバルらしい。
「登山道徳」
以下略・・・
今も昔も変わらないってことです。
他には、「山案内人と人夫の雇い方」なんてのもある。
最初から最後まで面白さ満載!で、ここに書ききれません。
岩登りの項目もあります。
この「首がらみ」ってどうやってやるんだろうか?
わざわざ、人間の急所を両方とも痛くするなんて・・・
(誤植の訂正あり)
戦争末期の山の本の一例は、過去のエントリーでどうぞ!
「ヒマラヤへの挑戦」