タタリじゃー！！

ＡＣＴ１
ある夜・・・
ふと喉の渇きを感じて、いつも使っているグラスに水を注いだ。

立ったまま水を飲み干し、時計に目をやると針はもう夜中を過ぎている。
静まり返った部屋に、テーブルにグラス置く音が嫌に大きく響く。

まだ、寝るには時間がかかりそうだ・・・

ふぅー・・・
控えめに、ため息をつき
テーブルに背を向け、デスクに向かおうとした・・・

その時！！！！！

パシィーッッッッッッ！！！！

ガラスの砕ける音！
反射的に床に身を伏せた！

北向きの窓ガラスには銃弾が撃ち込まれたヒビが稲妻のように走り、床にはガラスの破片が星のようにきらめいていた・・・

そんなんでは！なーい！！！
もう一度・・・

ＡＣＴ２
ふぅー・・・
控えめに、ため息をつき
テーブルに背を向け、デスクに向かおうとした・・・

その時！！！！

パシィーッッッッッッ！！！！

振り向くと、さっき水を飲んだグラスが粉々に砕け散り、その破片がテーブルから数歩離れた私の足元にまで飛び散っている！

テーブルの上で誰も触れてもいないグラスが落ちたわけでもなく、何かが当たったわけでもなく、テーブルの上で突然に砕け散った！

タタリじゃー！！
怨念じゃー！！
ポルターガイストじゃー！！
ナントか霊じゃー！！

終わり！

終わるな！って？？

でも、その通りなんです。

テーブルに置いた、グラスが突然、コッパミジンコ！！に飛び散ったんです。
粉々の破片は１ｍ以上に散乱しました。
もはや、タタリしかございません。

タタリじゃ！タタリじゃー！！

しかし、恨まれても、タタられる覚えは無いな・・・

さて！
タタられる覚えが無いので、原因を究明してみましょう！

この、ガラス製品が突然！砕け散る現象。
このような、よく見る、肉厚のガラスコップでおきました。
（ＤＵＲＡＬＥＸ社　フランス製）
あなたのオウチにもあるんではないかな？

これらのグラスは、カフェとかで見ることも多いと思いますが、本来、そのような「業務用」として、多少、手荒く使っても大丈夫なように「強化ガラス」で作られています。

強化ガラスは、加熱されたガラスの表面に空気を吹き付け、急激に冷却することで表面を圧縮して製造されます。
つまり、表面には圧縮された力（圧縮応力）内部には逆の引張る力（引張応力）があり、表面の圧縮された力によって、外からの力に耐えるガラスです。

つまり、
表面のギュッ！ってのと、内部のブワッ！ってのが釣り合っている状態なわけだ。
しかし、その表面に、なにか目に見えないような小さな傷がついてしまった場合、最初は表面の圧縮応力の面で止まっていても、振動や衝撃を受けながら時間をかけて成長し、内部に達したとき！

表面と内部のエネルギーのバランスが取れなくなり、
ボカーン！と風船が割れるように破裂！してしまうのです。
（ガラス内に不純物があった場合も起こります）

実は、私は、このように強化ガラスのコップが割れたのは二度目の経験。
初めてのときは、テーブルに置こうとして、グラスがテーブルに着地した瞬間に粉々に砕けたことがあった。
中にまだ飲み物が残っていたのでガラスは飛び散らなかったけど、大変なことになった・・・
その時は自分の手に、なにか「ハンドパワー」が宿ったと思ってた。

今回は、全く手も触れていない状態でコッパミジンコ！に！！

突然なんの前触れもなく砕け散る、この破壊を予見することは不可能。
過去には、突然、破壊したグラスの破片で重い怪我を負った報告もあるそうです。また、ガラス製のナベのフタでも発生しているそうです。

あなたが手にした、その強化ガラスのコップ！次の瞬間に爆発するかもしれませんよ！

お気をつけあれ！
どうやって気を付けていいのか、まったく検討がつかないけど・・・