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【撮影 中島ケンロウ】

登山で最大最高の成功は「全員登頂」だ!
それは全員で登頂して全員で下山すること。

仲間たちと登るからこそ、高くて遠い頂上まで登れる。
頂上という、ひとつの目標を持つからこそ、お互いを信頼し尊敬し危険や困難を受け入ることができる。それこそが仲間だ。
私たちが目指す頂上は一人で登れるほど近くもなく、一人の都合でヤメられるような低いものでもない。

時には仲間の一人が弱って、へたり込んでしまうこともあるよ。
動けないことが、どれほど悔しいかなんて本人にしか分からない。周りから気遣われるほど、自分を追い込んで、フラフラと必死に歩こうとしてる。

そんなヤツに無理させるな!それ以上、頑張らせるな!休ませてやろう!
安全なキャンプに収容して、温めて、水分と食事を摂らせて休ませてやろう。

しかし、その時に全員がそこに留まっていたらダメなんだ。
当たり前だけど、歩みを止めてしまえば、永遠に頂上が近づいてきてくれることはない。

だからこそ、そこから強いヤツが頂上に向かってルートを伸ばす!
次のキャンプを出して、頂上に向かってルート工作を進める。そのルートは自分だけが通れればいいのではない。後から来る弱ったヤツも通れるようにフィックスドロープを張ったり、ステップを大きめに削らなければならないかもしれない。
誰かではなく、強いヤツこそが頑張ってルートを切り開くんだ!

メンバーにはパワーのあるヤツもいるだろうし、テクニックがあるヤツもいるだろうから、ルートの状況に合わせて、先頭はどんどん入れ替わってルートを伸ばす。
今日、元気なヤツも明日は急に体調を崩してしまうかもしれない。今、休んでいるヤツの力も必ず必要になる。
だからこそ、弱ってるヤツには早く回復してもらえるように今は休ませてやろう。調子が戻ってきてから追いかけてくればいい。その時は先頭も任せられるよ。
それぞれが補い合い、役割を果たすことが全員登頂への一歩一歩になる。

全員登頂は全員で動いて同時に登頂することではない。全員が頂上を「通過する」ことでしかない。頂上の先には長い下りが待っている。頂上で終わりじゃない。動けるヤツが、ひたすらにルートを伸ばしていこう。

全員登頂は、全員で頂上を越えていくってことなんだ。
きっと、その先には次の頂が見えるはず。
また、仲間と一緒に頂上を越えていきたいよね。

Comments

7

アン・ドルマ

[E:heart]心の中をさまざまな哀しみが行ったり来たりしています。 竹内さんも被災された方たちに思いを馳せてこのメッセージを書かれた事でしょうね。明けない夜はないと分かっていますが、辛い日々です。 長い長いトンネルのズーット向こうの明かりを目指して、歩き始めましょう!2010年のA・B・Cの私の仲間達は元気です。リーダーは、被災しましたが前へ・前へ踏み出しています。 竹内さんの「便り」が共感と生きる力になると思います。 おげんきで・・・・・。

6

ノラ猫

日本は大きなパーティーですね。 今、動ける私は、今、出来うる形でルート工作に励みます! (≧▽≦)ゞ デッカい山、みんなで登頂しましょう!

5

蛭田雅則

就職後に「仕事」で始めた登山に嵌った想いが、 余す事無く語られています! 本日、同僚と「真綿で首を絞められるような感覚だよね」 という不安感を確認し合いましたが、 それでも頑張ります! 竹内さんからはそのエネルギーを貰っています! 本当にありがとう!

4

たく

みなさん、頑張りましょう!!

3

アライ

目的にこだわり、各々ができることを最大化する。とても大事なことですね。 震災の復興しかり、日々の仕事然り。考え方として分かっていることであっても、竹内さんならではのお話・語り口がささりました。

2

ポニョえもん

涙が出ました... がんばろう日本!! ぼくらの祖父や祖母たちも焼け野原から復興できたんだから... そして一つでも多くの奇跡を願ってます。

1

壮大な桜

YES, JAPAN CAN !!