※このブログは
報知新聞社様のご協力により再掲出したものです。
尚、当サイトにおける公開は2020年1月20日です。
Lower C2 6500m
イスラマバードが大変なことになってます。やはり山が一番安全という結論に至りそうですね。
滞っている進捗状況をお知らせしましょう。
お知らせが滞ってるだけでなくて登山そのものが、かなり滞ってるんですけどね・・・。
現在、我々のチームはLower C2(6500m)と呼ばれるところまで到達してます。
今年は天気だけでなくルートコンディションもハズレらしくって、Lower C2手前のセラックが今までに聞いたことも無いほどにハングしていて「気合イッパーツ!!」て感じで無理やり乗り越えて行くんですけど、登れずに途中でチューブラりんになる人続出!!
良いクレバスレスキューの練習になりました。やはり生身の人間での反復練習は身につきますね。
で、Lower C2に入るわけですが・・・、もう、なんだか「指だこ」なんですけど、午後から、また、どーっ!!と雪が降り出して、一晩頑張ったんですけど翌朝も降り止まずテントはご覧の通り。なんか、以前に見たような写真ですね。
ここで、私とディルクの意見が、待つか?下るか?で分かれてしばらく話をしました。
バルトロは一度天気が崩れると一気に雪が1mとか1.5mとか降り続いて閉じ込められる可能性が高いので私は今ならまだ下れる!と主張。ディルクは、既にこの60cm以上積雪があってルートを取り巻く大きな斜面からの雪崩れがヤバイ!と主張。まあ、どっちもどっちなんですけど・・・。
結局、下ることで話は決まって、もう、朝食もお茶も無く慌ててテントを飛び出して下り始めましたが、ディルクが言ったようにルートは雪崩れのデブリに埋め尽くされていて、もはやタイミングの問題って感じになっているし、吹雪で視界がまったくきかず、もちろんトレースもまったく無くなっていて手探り状態で下降!
(キャプション:「プチナダレ」に流されてもがいてる人々)
途中、何度も「プチナダレ」に流されて、でーっ!!ってなったりしてエライ目にあいました。
ようやくC1に降りてくるとC1のテント群は「半地下」みたいになってるし・・・。
C1では他のチームのメンバーがたくさん、雪の降る中で、なんだかブラブラしてるんですよ。変なのー・・・って見ながら、我々はBCへ下ることにして、再び、ラッセルを始めたら、そのブラブラしてた連中がどー!!っと我々を追いかけて来ました・・・!!決して、追いつかないビミョー!な距離を保って!!
このBCへの下りもけっこうヤラれましたよ。普段だったら「アウトバーン!」とも呼ばれるトレースなんですが、結構なラッセルにホワイトアウトでフラッグも見えず、みんなクレバスにスッパン!スッパン!落ちるわで、GPSが無かったらどうなっていたことやら・・・。そのGPSもポイントニィングがかなり大雑把だったのでかなり苦労しました。
ヤレヤレ、なんとかBCにたどり着きました・・・。時計を見ると、また、13時間行動ですよ・・・。
どうして、私たちって、こうなっちゃうんでしょうね?