※このブログは
報知新聞社様のご協力により再掲出したものです。
尚、当サイトにおける公開は2020年1月20日です。
新エヴェレスト年 第3回
「エヴェレスト初登頂に使われた腕時計…」
と聞けば「ロレックス」を思い浮かべる人は多いのでは?
しかーし!!初登頂のとき、ヒラリーさんの腕には、イギリスの時計メイカー「スミス」の時計が巻かれていたのでした!!これ本当!!
実は、ロレックスはテンジンの腕に巻かれていたのです。
写真の時計は、1953年のエヴェレスト初登頂を記念して当時、スミス社から発売された「エヴェレストモデル」と呼ばれる時計です。
詳しくはわかりませんが当時、スミス社の幾つかのモデルにこの「エヴェレスト」という名前を冠して記念モデルとして発売したようです。
なので…
「エヴェレスト初登頂に使われた腕時計はロレックスとスミス」
コレが史実!
考えてみれば、当時イギリスの威信を賭けて行われたエヴェレスト登山にイギリスの時計が装備として採用されるのはごく自然なことですが、ロレックスもメンバーに時計を提供していたようです。
では、なぜ?ヒラリーさんがスミスで、テンジンがロレックスだったのか?
個数がなくて、ヒラリーさんまで行き渡らなかった?ヒラリーさんが初登頂のメンバーとして下馬評に上がっていなかった?ヒラリーさんがスミスを選んだ?どちらかが壊れてもいいように?
と諸説あるようです。
しかしながら、「エヴェレスト初登頂に使われた腕時計はロレックス・・・」というイメージが、まさにロレックス社の宣伝広告の賜物として、サンタクロースがコカ・コーラの宣伝広告で赤くなっちゃったのと同じように世界に広く知られていきました。
しかも、時計好きなら、さらに「…エクスプローラー」とまで続くのでは??
初登頂に合わせて「エクスプローラー」をカタログに掲載して、まるでエヴェレスト初登頂用に特別開発した時計であるかのように発表したようですが、実際は、「エクスプローラー」は、すでに販売されていた通称「バブルバック(セミバブル)」と呼ばれるモデルの1つに過ぎなかったようですから、なかなか、したたかです。
さらに、その後はヒラリーさん自身がロレックスの広告に出るまでになりましたからね…。恐らく、その辺の兼ね合いもあって、詳しい経緯が表に出なかったのかも??
(1950年代のバブルバック)
「バブルバック」とはそれまでの手巻きのケースに無理やり、自動巻きのムーブメントを押し込んだので、はみ出してしまって裏ブタがポッコリ!と膨らんでいることから、そう呼ばれ、腕につけて、まるでシックリこない時計です・・・が、そのポッコリ!が、なんとなくカワイイ感じもします。
さて、そのスミス社ですが…
もともとは、自動車の距離計やスピードメーターを開発したメイカーとしてイギリスで成長し、時計産業に進出してきました。
軍用時計や家庭用の目覚まし時計などイギリスにおける、一大時計ブランドに発展しましたが、1970年代の日本製クオーツ時計の普及によって1979年に時計事業から撤退。
その前後、再編を繰り返し、現在は、宇宙、航空、医療、X線機器や空港マネージメントなどなど・・・の多分野において世界50カ国以上で展開するイギリスを代表する企業「スミス・グループ」に発展しています。
特に、スミス社が開発する技術や精密機器は、現在、宇宙航空の分野では欠かせないものになっているようです。
自動車の計器から、エヴェレスト初登頂に使用された時計、そして宇宙航空機器へ、時代とともに変化しながらも歴史が受け継がれている様子がイギリスらしくも思われますね。
最近では、NASAの火星探査車「ローバー」に技術提供をしているニュースがありましたね。
スミス社は「Explorer」ではなく、「Pathfinder」になったようです。
スミス・グループのHP↓↓↓
http://www.smiths-group.com/Home.aspx
エヴェレストとロレックスエクスプローラーに関しては、かなり諸説が入り乱れているようです。
ここに書いたことも、正確な時計の歴史ではないかもしれませんので、アシカラーズ。
もし、さらに詳しいことをご存知の方がいらしたらコメントにお寄せください。
今回、スミスの時計に関して参考にしたウエブサイト↓↓↓
http://www.smiths-clocks.co.uk/index.htm
この方、スミスの時計(置時計を中心に)だけを専門に研究しておられるようで本まで書いてますなー…。
「もし、あなたが、なにかスミスの時計を持っていたら連絡してください!!」と書いてありますよー。
もし、おウチにスミスの置時計がある方は連絡してあげてくださーい。
世の中にはいろんな人がいますなー…。私に言われたくないか…。
(現在、スミス社は時計を生産していませんが、リプロダクト(意匠切れ復刻品)で掛け時計の一部が復刻されているようです(未確認情報))