※このブログは
報知新聞社様のご協力により再掲出したものです。
尚、当サイトにおける公開は2020年1月20日です。
総選挙
ネパールでは、来る10日に総選挙が行われます。
街中で選挙キャンペーンが行われていて大渋滞!
この選挙は2006年にギャネンドラ国王の強権政治打倒を掲げた政変で誕生した暫定議会が王制を廃止して共和国制への移行を国民に問う!という制憲議会選挙。
ネパールの政変と言えば、マオイストがゲリラ戦で大戦果をあげて、政治の表舞台に躍り出てきたようなイメージがありますが・・・
マオイストが大戦果をあげていたのは警察を相手にしてのこと。
警察は敵をせん滅するような訓練も受けていないし、火縄銃に毛が生えたようなライフルに財政難とマオイストの強奪を防ぐために銃弾は1発2発しか持たされていないような状態では多勢に無勢・・・勝てるわけがない。
で・・・不思議だなーっと思っていたのが、なぜ?軍隊が出てこないのか?
世界最強の歩兵とも言われるネパール軍が出てくれば、マオイストなんて一撃!だろうに。
噂によると、現在の首相であるコイララさんが(会議党 最大与党)
いい加減にしないと軍隊出すぞ!
と脅して、マオイストを抑え込むために表に引き出してきたとも言われています。
「農家兼ゲリラ民兵」が、世界最強歩兵にかなわないことは本人達がいちばんよくわかっていることでしょう。
しかし、相手を本当のコテンパンにしないところがネパール人の気質のようにも感じます。
マオイストも、あれほど、大騒ぎして反王制を掲げながらも王宮に突撃したり、王様を引きづり出したりしませんもんね。
カーストをも受け入れてきたネパール人の中には、最後の最後までは踏み込めないDNAがあるのかもしれません。
現在の暫定政府を構成する主要7政党では王制廃止で一応、一致しているものの、まだまだ、王制存続支持派も少なくなく、この選挙次第では王様復活!の可能性もある。
そして、気になるのが王様と軍隊の不気味な沈黙・・・。
なにか企んでるかも?
さらに、選挙後マオイストの得票率が悪ければ、「開票に不正があった!!」とか言って暴れる可能性も大いにあり。
いずれにしても、この選挙の動向は今後のネパールの政情を大きく左右することでしょう。
田舎の村の方ではマオイストに投票しないと襲撃されたりするから、そこそこ票を伸ばすと思われますが都市部ではたいして議席を獲得はしないだろうというのが大方の予想のようです。
まあ、ああいう態度ではね・・・。
そもそも、マオイストと政治家が大騒ぎしてるだけで一般の人々は、あまり政治や選挙に興味ないだってさ。
チベット情勢とネパール総選挙の影響で多くの登山チームが翻弄されています。
ご存じのように、このシーズンのチベットは完全にクローズ。
チベットで登山を予定していたチームはネパールに計画を変更したりしていますが、ひとりでも多くに投票をさせるために投票日以前にシェルパやポーターを雇用して山に連れてってはダメ!とのお達しが出ていたり、観光省などの政府機関も選挙に合わせて1週関クローズなので選挙が終わるまで身動きの取れないチームも多いようです。
ラルフのところで募集したチョモランマ隊(エヴェレスト・チベット側)もチョモランマがクローズになったので、チョー・オユーに変更したら、チョー・オユーもクローズになって、シシャパンマに変更したら、チベットがクローズ・・・そして、マナスルに変更・・・で、ただいま、選挙で足止め・・・だって・・・。
やはり、登山は政治に翻弄される宿命にありますね。
そんな中、一人の「元日本人」がネパールに帰化して選挙に立候補してます。(面識がないので名前は伏せます)
いくらネパールが好きとは言え、帰化してまでとは・・・スゴイね。
健闘を祈りましょう。
投票日の前後3日間はお酒の販売が禁止・・・なんですって・・・でも全然、いつも通りに売ってるんですけど・・・?