※このブログは
報知新聞社様のご協力により再掲出したものです。
尚、当サイトにおける公開は2020年1月20日です。
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なにこれ??
これは、靴のインナーブーツを熱形成するために微妙な調整をするパットを足に貼っているところです。
私が現在、使用している高所用のブーツはスカルパ社のファントム8000というモデル。
この靴のインナーブーツは、熱整形して足にフィットさせる構造になっています。
そのため、靴の中の余裕やフィット感をコントロールするために、インナーの整形には非常に高度な微調整と芸術的作業が求められます。
ここは、もう少し広げて…
ここは、もっとフィットさせて…右のかかとの右の上を、もうちょっと…
インナーのあたり具合には細心の注意を払います。
その要求に完璧に応えてくれるのが、
石井スポーツ松本店の釣巻健太郎さんです。
私の靴は彼にしか触らせない!
以前は都内のお店にいたのですが、松本店に転勤されたので今回、追いかけてきました。
私の場合、いつも継続登山のため、ワンシーズンで靴は、すっかり消耗してしまって、毎年、靴を新しくするので、年中行事のように釣巻さんに面倒をかけています。
私の、あーでもない…こーでもない…に付き合ってくれること約2時間…
今年もパーフェクトなインナーが完成しました。
これで、今年も足元はバッチリ!
さすが!釣巻健太郎!!
この靴を履くと、なんだか背筋が伸びて気合が入ってくるんだよね!
最近では、このようなゲイターが一体型になった靴が高所登山では主流になってきました。
私もプラ靴(プラスチックの靴)を最後に履いたのは2001年が最後…。
この頃はシェルパさんもプラ靴はほとんど履いてないですね。
このような靴は必ずしも、ポカポカと暖かいわけではありません。
しかし、クランポンの装着が確実でズレがないことや、フィット感が高いことで靴内部で足に無理な力がかからないために、圧迫などが少なく、結果的に凍傷のリスクが低いように感じます。
特にこのスカルパのブーツはグリベル社と共同開発した専用のクランポンがあります。
靴のフィット感と足の自由度、そしてクランポン装着の信頼性は、クライミング要素の高いルートでは欠かすことができません。
私がスカルパファントム8000を履き始めたのは2004年から。
当時、ファントム8000は、まだ一般に販売されていませんでしたが、輸入代理店のロストアローとスカルパのご好意で特別に用意してくれたのです。
登山が終了して、すっかり消耗した靴をロストアローの方に使用の感想や要望と一緒に渡すと、
驚くべきことに!翌年に販売されたファントム8000は、その全てを改良してありました!!
(恐らく、他のテストでも同じような要望があったのでしょう)
さすが!スカルパ!!