※このブログは
報知新聞社様のご協力により再掲出したものです。
尚、当サイトにおける公開は2020年1月20日です。
14PROJECTの日
今日は
中秋の名月
残念ながらあいにくのお天気…
かわりに、2005年のカンチェンジュンガで昇った満月をどーぞ。
一晩中、お腹を叩きたくなるほどいい月でしたよ!
ポンポコ!ポンポコ!ポコポーン!!
一面の雪の中では、満月の夜はヘッドトーチも要らないほどです。
満月の夜、月の光が音も無くそそがれると、一面の雪が発光し、雪の結晶一つ一つから光の粒子が放たれます。
光の粒子たちは、よどんだように留まり、そして気がついたようにゆっくりと、どこかに流れていくようにも見えます。
そのよどみから手のひらですくってみますが、どうやらそれは、なにもかもを通り抜けていくようです。
月の光は、まるで光が浮遊しているかのような静けさに満ちています。
昼間の太陽が放つ光はサングラス越しに見ても、まるで襲ってくるかのように鋭くて目を背けてしまいます。
太陽は、夜明けの初々しさを恥じるように、急いで頭上に駆け上ると、まるで自分の力を誇示するかのようにいつまでも下りてきません。
足元の影はまるで私の体を陰にして太陽の光から逃げているかのように小さくなっています。
夜中にテントを発ち、月の光の中に踏み出すと、雪に映し出された自分の影が、自分と同じように動いていることを見て安心したりします。
月の光が届かない陰を行くと指先も心も冷たく凍えます。
先に見える、月が照らすあの場所へ早くたどり着きたい。
ようやく、その陰と光の線を一歩踏み越え、月の光を浴びたとき、
凍えた指先には、暖かさを感じ、体全体に血がめぐり始めるように感じます。
もちろん、月の光に温度は無いのでしょうから、そう感じるだけです。
しかし、確かに感じるのです。
月の光は凍えた心にまでも射し込むようです。
月の光には不思議な力があるようです。
たぬきも踊りだすわけですね。