※このブログは
報知新聞社様のご協力により再掲出したものです。
尚、当サイトにおける公開は2020年1月20日です。
14PROJECTの日
世間では、甘っちょろくて、浮っついたバレンタインデイですが、
ここは、苦味のきいた、重っ苦しい14PROJECTの日ですよ!
グリベル G-14 GS-b
私が使用しているクランポン(アイゼン)です。
G-14ですが、14本爪ってわけではありません。
「GS-b」とはグリベル・スカルパ・バインディングの意味でスカルパのブーツだけに取り付けられるようになっています。
クランポン(アイゼン)の登場は、アイスアックス(ピッケル)よりもずっと後のことで、エッケンシュタイン式とかホレショフスキー式が現在のクランポンのご先祖様です。
クランポンが発明される前はどうしていたかと言うと、アックスで氷を削って、そこに手足を置いて(カッティング)登っていた。そして下りていた・・・。(靴底にはナーゲルという鋲が打ってあった)昔の人はスゴかった。
クランポンの発明は「悪魔の発明」とも言われ、これを使って登ることは「アンフェア」だとも言われたそうですが、今では、アックスを無くしても何とかなるかも知れないけど、クランポンを無くしたら、どーにもならいぞ。
当時のクランポンには前歯(フロントポイント【英】 ツアッケFront Zachen【独】)はまだ無くて、一説によると、初めてこのフロントポイントを装備したのがグリベルだったそうです。
アイゼン(Eisen)はドイツ語で「鉄」の意味なので正確にはシュタイクアイゼン(Steig Eisen) 「Steig」は、「急坂の道」?ってな意味らしい。
しかし、最近ではドイツ人のドイツ語会話の中でもクランポン(Crampon)って英語で言う人の方が多いような感じがします。
ちなみに
シュタイクアイゼン【独】 → クランポン【英】 → 氷爪【日】
ピッケル【独】 → アイスアックス【英】 → 氷斧【日】
ザイル【独】 → ロープ【英】 → 綱?縄?【日】
ゼルブストバンド【独】 Selbst Band(自己バンド?) → クライミングハーネス【英】 → ゼルバン!【日】(安全帯)
ツェルト【独】 → テント【英】 → 天幕【日】
などなど・・・
日本の登山用語はさらにフランス語も混じってるので複雑です。
日本では、「テント」とは、いわゆる「テント」のことで、ビバークとかに使うものを「ツェルト」と言っていますが、これは日本語。
ビバークに使われるのは「ビバークテント」で「BVバッグ」とか「BVテント」って言う人もいる。おそらく、Bivouac Bag Bivouac Tent の略かな?
寝袋の「シュラフ」はドイツ語では「寝る」という意味でしかないので、正しくは「シュラフサック」
英語の「スリーピングバッグ」の方が普通に使われます。
山道具屋の寝袋売り場のところに「シュラフコーナー」って案内が出てるのはかなり面白い意味です。
ちなみに、ドイツ語で「おやすみー!ぐっすり寝てね!」 ってな感じで Gute Nacht Schlafen gut! (グーテ ナハト シュラフ グー!)って言っているように聞こえる。
あくまでも聞こえるだけですけどね・・・
「ゼルブストバンド」はドイツ人(特にラルフ)には通じなかったな・・・と言うより、そんなの知らないって言ってた。
じゃあ、なんて言ってるの?って訊いたら「ハーネス」っだって・・・
日本でだって安全帯なんて言わないもんね・・・。
ちなみに、私は英語もドイツ語も出来なくて、日本語さえも怪しいのであしからず。