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(撮影 ラルフ・ドゥイモビッツ)

エヴェレストのネパール側からのルートで先ず、立ちはだかるのがアイスフォールの通過です。

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常に崩壊を続けるアイスフォールの通過は、これまで多くの犠牲者を出してきました。
しかし、近年このアイスフォールで大きな事故は起きていません。

それは、「アイスフォール・シェルパ」と呼ばれるアイスフォールのルート工作とメンテナンスを専門に行うスペシャリストの存在があります。

彼らは、毎シーズン各国からの登山チームに先立ち、アイスフォールにルートを切り開き、通常6人体制の交代で毎日、アイスフォールを巡回してメンテナンスを続け、そのシーズンの最後のチームが下りてくるまでルートを維持し続けます。それは、ルートが崩れてから直すのではなく、崩れる前にルートを変更したり、補強したりと、常に動き続けるアイスフォールを「生き物」のように接する彼らの眼差しによって行われているのです。

その「親方」は「アイスフォール・ドクター」との称号で呼ばれます。(何人かいるらしい)その1人は、1975年から、この「アイスフォール一筋」にルートを守り続けているそうです。彼らこそが、多くの人を頂上に導いた「真のシェルパ」とも言えるのかもしれません。

実際、このアイスフォールに入ってしまうと、自分がどっち向いてるのかも分からなくなるような「迷宮迷路」で、恐らく、世界中の有名クライマーたちが、「一発越え!」は出来たとしても、シーズン中、維持できるルートを見出すことは、まあ、無理でしょうな。まさに、「職人技」です。

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しかし、最も危険な箇所には変わりありません。このアイスフォールの通過回数をいかに減らすことができるか、いかに最短時間で通過できるかが重要になります。そのため、あらかじめ他の山である程度の順化を済ませ、アイスフォールの通過回数と通過時間を減らすプランを考えることが必要でしょう。