• 標高:8091m/世界第10位
  • 所在地:ネパール
  • 初登頂:1950年、フランス隊 モーリス・エルゾーグ、ルイ・ラシュナル
  • 竹内洋岳の登頂:2004年5月28日、無酸素で

 ネパール連邦民主共和国、及びヒマラヤ山脈の、ともにほぼ中央部に位置するアンナプルナ山群中の最高峰で、周辺にはこの峰の他にも様々な高峰が点在していることから「アンナプルナⅠ峰」として多く表記されている。
 山名の由来はサンスクリット語で「アンナ」=「食料」、「プルナ」=「いっぱいにする」という意味を持つが、そもそも「アンナプルナ」という言葉自体がヒンズー教における繁栄の女神を指す単語でもある。それはヒマラヤを神格化したヒマヴァト神の娘でもあり、「豊穣の女神」あるいは「食糧の支給者」だと古くから言い伝えられている。
 山頂部には3つのコブがあり、主峰でもある南峰は8091m、中央峰は約8060m、東(北)峰は約8020mあるが、このそれぞれを独立峰と見なすことはない。
 この山の初登頂は1950年のフランス隊によるものであったが、これがまさに人類史上初めての8000m峰登頂の記録であり、同時にここから8000m峰14座の登頂ラッシュが幕を開けることにもなったのであった。
 なお難所が多いことでも有名な山であり、各国の著名登山家から、世界で最も危険な山のひとつに挙げられることも少なくない、別名「キラーマウンテン」である。

竹内洋岳のコメント

第一回目のシシャパンマ南西壁を敗退した後に継続して、ラルフ・ドゥイモビッツ、ガリンダ・カールセンブラウナーと、アンナプルナ北面をアルパインスタイルで、ベースキャンプから頂上までを一部、新ラインを含み4日間で登頂し、ヘリコプターでカトマンズからベースキャンプを往復して、全日程9日間で終了させた、恐らく、アンナプルナ登山史で最短の登山期間での登頂。しかし、絶え間なく崩落するアイスフォールの中を駆け抜ける危険な登山で、14座登頂後にラルフ、ガリンダと3人で「アンナプルナだけは2度と行かない!」意見が一致した山でした。

日本一わかりやすい
8000m峰14座完全データ