※このブログは
報知新聞社様のご協力により再掲出したものです。
尚、当サイトにおける公開は2020年1月20日です。
モンスーン
ヒマラヤの登山シーズンは?
プレモンスーン(春)とポストモンスーン(秋)なんて言葉を聞いたことがあるかもしれません。
ヒマラヤ一帯は、秋から春までシベリア方面の大陸から冷たく乾燥した風が流れ込みます。夏になり、その風が弱まると、ベンガル湾からの湿った空気が流れ込み雨季に入ります。
そして、再び大陸からの風が強まると、その湿った空気を押し戻して冬に向かうのです。
実は、ヒマラヤで雪が少ないのは冬なんです。
普通は、冬に雪が降りますよね?
ヒマラヤの冬は風が強すぎてしまって雪が吹っ飛ばされてしまうからです!(山や斜面による)
また、逆に雪が多くなるのは夏なんです。(山や斜面による)
湿った空気が流れ込むので雪が降りやすくなるからです。
つまり、冬の間は風が強くて寒すぎて登山が厳しい。夏の間は、天気が悪い。
そのため、ヒマラヤの登山シーズンは、このモンスーンの前、4月から5月頃
の「プレモンスーン」とモンスーン後の9月から10月頃の「ポストモンスーン」が登山シーズンとされているのです。
じゃあ、その寒くて風が強すぎる冬は登れないのか?
って話になると・・・いるんですよ、あえて冬に登ろうっヤツが・・・
有名な話では、フランスのジャン・クリストファー・ラファイユとイタリアのシモーネ・モローのシシャパンマ冬季初登頂をめぐるヨーロッパ登山界を真っ二つにした大論争!が知られていますね。
説明が長くなるから、詳細はまたね。
自分こそが冬季初登頂だ!と言い合ってナンガパルパットで、パートナーだったラファイユとシモーネが大喧嘩!になったくらいだからね・・・。
結局、ラファイユは、その論争に終止符を打つべく、冬のマカルーにソロをして帰らぬ人になってしまった・・・。
つまり、いつから冬なのかがはっきりしないので、冬期登頂と言ってもなんだか分からないんです。
(最近は、風が吹き出してからが冬ってことになりつつある)
話を元に戻しますが・・・
ネパールやチベットのヒマラヤは、
春の4月から5月頃が「プレモンスーン」で登山シーズンで、秋の9月から10月ごろが「ポストモンスーン」で再び登山シーズン。
そして、よく出来てることに、パキスタンのヒマラヤは6月末から8月頃が登山シーズンになります。
ベンガル湾から離れているために湿った空気が山まで到達しないため、ネパールやチベットのヒマラヤと異なり、季節が冬と夏に分かれるので、登山シーズンは夏になります。
えーっと・・・
話を整理しましょう。
ネパール・チベット
4月から5月頃(春)「プレモンスーン」
パキスタン
6月末から8月頃(夏)「サマーシーズン」
ネパール・チベット
9月から10月頃(秋)「ポストモンスーン」
(山によって適したシーズンがあります)
つまり・・・
春にネパールやチベットで登山して・・・夏でパキスタンで登山して・・・秋に、またネパールやチベットに継続・・・
やろうと思えば5つくらいは継続できるかも?
5つはさて置き・・
春と夏で2~3の継続は、最近では珍しくないです。
私はこれを「順化コロガシ」って呼んでますが・・・
体に悪いのでほどほどにね!
では、暖かいモンスーンの季節に登山はできないのか?
実は、出来ます!
モンスーンの雲は、湿気を帯びていて高い標高まで上がってこれないため、下が天気が悪くても7000m以上は天気がいいことが多いとも言われています。
写真は、押し寄せたモンスーンの雲。雲の上はいい天気ですが、下はどうなっているのやら・・・下りていくのが怖くなります。(マカルーにて)
しかし・・・
ネパール辺りで雨季に、下の樹林帯とかをアプローチすると・・・・
ヒル(山ヒル)に食べ放題!されるらしいです!!
多分、それが恐ろしいので、モンスーン期に登山しないのかも?
しかし、下部で雪が深くて天気が悪いでしょうから入れる山は限られるかもしれません。最近は、モンスーンに入るのが遅くなる傾向がるので、あえて、モンスーンに登山しなくても、プレモンスーンから、粘って粘って・・気がついたらモンスーンに入ってた・・・ってな登山はあるようです。
夏休みを利用するならパキスタンの登山がいいかもしれませんね。
Comments
1
サイアム
メスナーが単独無酸素でエベレストを登ったのはモンスーン時期でした。 チベット側からの登頂とはいえずっと不思議に思っています。ネットで いろいろ調べてもわかりません。私的にこの疑問を解きたいです。