※このブログは
報知新聞社様のご協力により再掲出したものです。
尚、当サイトにおける公開は2020年1月20日です。
わーい!雪だー!!
わーい!天気が悪くなって!!雪が降り出したー!!うれしいなー!
いやー、これまでの登山の経験の中でも天気が悪くなって喜ぶってのは初めてだな。
朝、雪が降り出して、みんなで、ヤッター!!って大騒ぎのドンチャカ騒ぎだもの。
さて、なんで天気が悪くてうれしいかって?
「チャーリーの天気予報」がドンピシャで的中したからです。
つまり、チャーリーが予想した気象モデルが今日からずばりスタートしてくれれば今後の行動プランをこのモデルに合わせて設定していけるというわけです。
そして、例のラスト・ディスカッションで意見が分かれた、行くか?待つか?で「行く!」を選択していたら、この悪天に捕まってしまっていたわけなので、この悪天候は我々の決定が正しかったことをも証明してくれるのです。
現在の「チャーリーの天気予報」では金曜日の朝ごはんから火曜日の朝ごはんまで天気悪い!特に日曜日はジェットの蛇行が変化して頂上付近は110Kmから120Kmの風でノーチャンス!ってメイルには赤文字の大文字で書いてあります。
登頂日が来週になるか来年になるかは、この悪天候の間にどれほどの積雪があるか?そして日曜日のジェットがどれほど頂上付近の雪を吹き飛ばしてくれるかにかかっていると思います。
まだ、ご存知無い方のためにこの「チャーリー」を改めて紹介しておきましょう!
チャーリー・ガーベル博士
オーストリア インスブルック在住の気象学者!国際山岳ガイドの資格をも有し、自身も8000m峰を4つ(確か?)に登頂経験を持つ現役クライマー。
ラルフが国際山岳ガイドの資格を取る際にチャーリー博士がその時の気象カリキュラムの先生だったそうで、ラルフとはそれ以来の付き合いで、現在、私たちが登山をする際には彼が特別に気象予報をしてくれています。
特に、2005年にシシャパンマ南西壁のアルパインスタイルのとき、彼は我々が行動している間、ずっとオフィスのモニターを見ながら逐一、気象の変化を送ってくれていました。
今回のリーダー、ディルクとも旧知の仲で気象予報を送ってくれています。
ラルフの話によると、彼のオフィスにはモニターが何台も並んでいて常にいろいろな気象情報をモニタリングしていて、特に、8000m峰の地形情報を独自にデータ化した気象予報システムを有し・・・なんやらかんやら・・・・。
そんな最新のデータシステムの中で気象予想をする彼も、空を見上げると何時間も雲の話、風の話をし続けて一緒にいる者を困らせるそうです。本当に「天気」が好きなんですね。
現在のG2における各チームの途中経過をお知らせしておきましょう。
11日にスロベニアチームの4人(こいつらは強い!!)とドイツ人2人が6900mのC3から頂上に向かいましたが13時間をかけてもコルまでしか到達できず敗退。
12日にスイスチームの6人(?)が6900mのC3から頂上に向かいましたが、届かず、一度C3に戻り、12日の深夜から再び頂上に向かいましたが、13日早朝にメンバーの一人が倒れ、現在、全員で下降中。(スイスの気象予報では今日まで天気が持つ予報が出ていたのですが上部での天候が崩れたので全員での下降の判断をしたそうです)
なんだか、G2らしからぬ過酷な様相を呈しております・・・。なんだろな?今年は??